本村地区の家の玄関先に見られる屋号のプレートを訪ねた。
『直島屋号プジェクト』という町の取り組みだ。
先ず、事の起こりを役場でうかがった。
立ち上げ当初の担当だった野田旭(のだ あきら)さんと
4代目の現担当者、河本篤人(かわもと あつと)さんにお会いした。
――― 取り組みの経緯を教えてください。
平成12年度(2000年)策定の『直島町まちづくり景観整備計画』のもとづき、
約1年かけて本村地区住民とのワークショップで取り組む内容を検討しました。
街並み、路地、井戸、お祭りなど有形無形の歴史ある町の文化素材を検討した結果、
この地域で100軒を超え、昔から生活に結び付いてきた、【屋号】を取り上げることに決めました。
【屋号】に決まってからは、訪れる皆さんにどのように見て頂くかを検討しました。
平成13年度(2001年)からのワークショップでは、デザイン、材質、大きさ、色、設置する位置、
など検討の会を数回重ねました。
町が製作と設置を担当し、住民の方々には保管管理していただくという役割分担とし、
平成14年5月(2002年)に試作を作り10軒ほどでモデル設置を行い好評を得ました。
その後、少し小さくし、平成14年8月に46軒による『屋号プロジェクト』としてデビューしました。
・・・・・・ 当時、60を超える一軒一軒を訪問して、46軒に設置の同意を得、
また、設置作業もこなしたの野田さんのご苦労を感じるお話だった。
・・・・・・ さぁ、実際に設置された46のプレートを見て回ろう。
城下町のたたずまいを残す本村地区は、通りも碁盤の目のように走っていて、
その各道筋に丁(町)名がつけられている。
① 波止丁(はとちょう)
② 東丁(ひがしちょう)
③ 中筋丁(なかすじちょう)
④ 戎丁(えびすちょう)
⑤ 加茂丁(かもちょう)
⑥ 西丁(にしちょう)
⑦ 石場丁(いしばちょう)

(本村道路略図:三宅 勝太郎 著「直島 屋号の起因 年中行事」 37P)(参1)
役場でいただいた『屋号マップ』を手に各道筋(丁)ごとに探検した。
『直島 屋号マップ』・・・・・・・役場で無料でもらえる
先ず、
探検 ① 波止丁(はとちょう)
波止場から、西へ通ずる道路なのでこの筋を波止丁と呼んでいる。(参2)
町営バスもここを走る。
(東から西に向かって撮った)
その通り沿いに・・・・・・


後ろのプレートの色が赤だ。(ピンクにも見える?)
この通りは、本村のメインストリートなのでイメージ色を赤とした。(役場:野田さん)
続いて、
探検② 東丁(ひがしちょう)
本村の東端の集落なので東丁と呼ばれる。(参3)
プレートの色は黄色。(波止丁から南に向かって撮った)
通りに入った・・・・・
2件発見。
その西側の、
探検③ 中筋丁(なかすじちょう)
本村の中央を南北に通ずる道路。 地元では中丁(なかちょう)と呼んでいる。(参4)
この筋のプレートの色は青。(波止丁から南に向かって撮った)
この通りには、極楽寺、八幡神社参道口、南寺など寺社があるので神聖さをイメージする青にした。
(役場、野田さん)
なるほど、言われてみれば青がぴったり合っている。
その西側の、
探検④ 戎丁(えびすちょう)
昔、戎神社があったので戎丁という。(参5)
プレートの色は黄色。(波止丁から南に向かって撮った)

そのまた西側、
探検⑤ 加茂丁(かもちょう)
昔、地区の悪霊を静めるため京都の加茂神社から分霊を持ち帰りお祀りした事に由来する。(参6)
プレートの色は黄色。(波止丁から南に向かって撮った)

“まんね”さんの近くにお祀りした場所がある。(参7)

“でんさく”さんは今はうどん屋をしている。
そして、一番西側の
探検⑥ 西丁(にしちょう)
本村集落の西の端にあるので西丁と呼ばれる。(参8)
プレートの色は黄色。(波止丁から南に向かって撮った)



最後は並びが変わって波止丁から北の海側、
探検⑦ 石場丁(いしばちょう)
山裾を南から北に海岸に面した通りなので石場丁と呼ばれる。(参9)
通りの色は黄色。(波止丁から北に向かって撮った)


設置プレート完全制覇!! (掲載許可を頂けなかった方の写真はありません)
設置している場所もいろいろで、探さないと見つからないところもあってちょっとした探検だった。
名称は、『商号』(商売・職業)、『人名』(先祖の名前)、『住居の場所』などいろんな由来があるらしい。(参10)
・・・・・ 楽しみ方を地元の方に聞いた。
設置している場所探しや、太陽の移動によって浮かび上がる文字の影や色の移ろいを楽しむといいらしい。
・・・・・ 昔は日常使われていた屋号だが、今は70歳以上の方が使うぐらいとの事。
消えてゆく地域の文化を伝えるため、小学校では屋号に関わる時間を取っているという。
(役場:河本さん)
『生活していたその家屋と同じように、先祖の温かい血が流れている屋号』(参11)が残って欲しいと思う。
・・・・・ 本村地区はいかにも歴史のある街並みで、散策するだけでも趣がある。
また、町には訪れる人に対する心づかいがあちこちに見られ、これも快い。
・町の地図・・・・・・通りのあちこちにいっぱいある。
役場前や 通りの休憩場や 通りのあちこちにいっぱい。
・休憩所・・・・・・ちょっと一休み
訪れる人たちにとって『これはうれしい』。
訪れた人を快く受け入れる直島の特徴だという。
観光者に多くの人が自分の家のトイレを提供する話も聞いた。
年間40万を超える島への訪問者の1/3はリピーターだという。(役場:河本さん)
この気持ちに癒されるのだろう。
☆ おまけ・・・・
こんな屋号プレートもあった。

流木アートの福岡さんの作品だ。 これも味わいがある。
☆ おまけのおまけ・・・・・
ここにもプレートがあった。
宮浦港の『海の駅 なおしま』観光協会のカウンター。
☆ 『屋号マップ』は、
直島町役場でもらえます。(土、日も日直がいます。9:00~16:00)
「海の駅なおしま」でも希望すればもらえます。
地図には、代表的な屋号の由来の説明も載っています。
来年の瀬戸内国際芸術祭の期間中は直島に向かう船中でももらえるそうです。(役場:河本さん)
有形かつ無形の文化アートに出会える直島。
是非訪れて探検してください。
■ 屋号プロジェクト問い合わせ先
直島町役場 総務課企画電算室
087-892-2020 (平日9:00~16:00)
※ 引用文献
参1~11 : 三宅 勝太郎 著「直島 屋号の起因 年中行事」(1992)